キャリア

理系研究者こそポータビリティのあるスキルを向上すべき3つの理由

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どうもヒトリベです。「ポータビリティのあるスキル」持っていますか?

理系の研究員なら、常日頃から論文を欠かさず読み、最新のサイエンスを取り入れている!という方は多いと思います。
朝はニュースレターを端から端まで読み、日中は研究に没頭し、夜は最新の論文を読み込む。
研究活動においてこうした調査は非常に重要ですが、研究員には他にも重視すべき行動があります。
それは、「ポータビリティのあるスキル」の向上です。
例えば、海外の人とコミュニケーションをとる予算や経費を管理する自分の技術を他人に魅力的に説明するといった能力です。
こうした能力は理系の研究者が専門領域で有する「スペシャリティの高いスキル」と比較して、業界や業種が変わっても通用する(持ち運べる)「ポータビリティのあるスキル」です。
特に転職活動において、異業界・異業種へ転職する際に重要なアピールポイントになり、同業界・同業種に転職する際にも差別化ポイントとして重要になってきます。

理系研究者のキャリアプランを考えるうえで、非常に重要な考え方であり、本記事ではその重要性を3つのポイントで解説します。

一生涯、研究出来る人はごくわずか

ここで質問です。本気で一生研究したいですか?
もしYESなら、この記事はあまり役に立ちません。
NOであれば、最後までこの記事にお付き合いいただければ嬉しいです。
そもそも、研究がしたくても、一生涯研究が出来る人はごくまれです。
どんなに研究の能力が高い人でも、日本のほぼすべての組織で年齢とともに管理職となるからです。
そうなれば、本来の手を動かすような研究は難しくなります。
そうなった時、どんなスキルが必要でしょうか?
英語、会計、マネジメント、交渉力といったスキルですね。
これからはプログラミングやデータサイエンスが、より重要になることも明確です。
こうしたスキルのない研究者は、キャリアプランがスペシャリティの高い領域に限られてしまい、例えば研究所が無くなるとなった時に転職先が見つけにくくなります。
もし、研究を一生する気が無いのであれば、研究以外のポータビリティのあるスキルを今すぐ向上させるべきです。

私は、英語が得意で、仏語も日常会話は可能で、対人関係構築にも長けており、特許の申請経験もあったので、転職活動の面接でこれらを実績ベースで語ることで、採用を勝ち取りました。

まとめ
「研究一本はリスクが高いので、よほど研究が好きでないならば、他のスキルも向上させておくべきだ。」

研究だけが出来ても評価されない

これは少し語弊があります。素晴らしい研究が出来ても、それが利益を生み出さなければ企業では評価されないという事です。
研究成果を利益に結びつけるには、それを消費者に届く製品に変えて、アピールして、コストを抑えて生産あるいは販売し、売り上げを回収することが必要です。
企業の研究者はこのバリューチェーンをしっかり意識することが非常に重要です。
この感覚のない研究者は、企業の研究者として不適格と言わざるを得ません。
また、少し穿った視点で研究を捉えると、自分の研究を(たとえ役に立ちそうにないと思っていても)いかに意義のあるものかと説明出来ることが、とても重要なのです。
役に立つかどうかは自分が判断する事ではありませんから、気にすることなく、自分の研究成果を魅力的に売り込める能力が非常に重要です。
これは研究という職種に限ったことではなく、他のあらゆる職種で求められる能力です。
研究者のキャリアプランに副業を入れるべきだというのも、こうした売り込む力、アピール力が養えると考えるからです。

まとめ
「研究だけでなく、その成果をもっともらしく売り込める力が、評価にとってはより重要である。」

他の研究員との差別化が容易になる

ここまで読めば、タイトルでお分かりなので説明が不要でしょうか。
あなたは採用面接の面接官です。同じような研究業績の研究員のAとBがいたとします。職務経歴書には下記のように書かれています。

A「XXプロジェクトに3年従事し、プロジェクトを成功に導いた。開発した新技術は特許になり、現在は類似した技術の特許取得に向けて技術開発に取り組んでいる。」

B「XXプロジェクトで新技術を開発して特許化し、海外提携先と契約締結して3年で製品化へ導いた。現在は生産工程の改善提案を勧めながら、周辺特許を開発している。」

同じようにXXプロジェクトに取り組んで成果を出していても、Bは誇大広告か、あるいは専門分野の技術力だけでなく語学力、交渉力、関係構築力の高い人材だろうと予想できます。
さらに、Bが語学力を証明するものを有しており、面接での人柄が十分なら間違いなくBを採用します。
Aは研究者として技術的には高いスキルを持っているようなので、補強したい分野と合致すれば、研究員として採用しても良いかなぁという程度ですね。
採用目的によってはAが選ばれることもあるでしょうが、おそらくBの方がより高い年収で転職できるでしょう。
職務経歴書の書き方の文もありますが、面接で「ポータビリティのあるスキル」を証明することが重要です。
同じ程度の研究スキルなら、間違いなくこれが差別化ポイントになります。
なお、研究者の転職活動において守秘義務がネックで、公知化されている研究業績でないと具体的な話が出来ません。差別化しにくいのです。

まとめ
「研究だけでなくポータビリティのあるスキルで差別化することで、採用を勝ち取れる」

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